”自分だけの色が欲しい”
人間が成長過程で感じる想いをカメレオンのシンプルなストーリーにのせた絵本。
『フレデリック』『うさぎたちの にわ』に続き3冊目なのですが、
個人的にはこの『じぶんだけの いろ』が一番好きです。
『フレデリック』の見開きのところにレオ・レオニの絵本がずらっと並んでいて、
娘に「次はどれがいい?」と聞いたところ、これ!と指さしたので借りてみました。
まわりの色に合わせて次々に色を変えるカメレオンには、
自分の色がありません。
”自分の色がほしい”カメレオンは、仲間のカメレオンと
その想いを共有します。
二匹が出した答え・・・それは、
いつも一緒にいて、二匹が同じ色になること。
一緒なら、周りの色がどんなに変わっても大丈夫。
そんなほっこりとする結末で、とても後味が良い絵本でした。
固定概念にとらわれないストーリーが魅力のレオ・レオニらしい、
そしてメッセージがわかりやすい作品。
勝手に深堀しておくと、
”自分の色が欲しい”
子供が大人になる成長過程で、だれしもが感じることだと思います。
世間では”中二病”って呼ばれている時期かもしれませんが。
子供:可能性は無限大
:自分だけの色が欲しい
大人:自分の限界を知る
いろんな選択肢を経て、夢を叶えたり、挫折を味わったり。
そんな中、どんな状況であれ、
”仲間がいる”って安心なんですよね。
スーパースターになったとしても、
中二病の大人になったとしても、
小さな幸せに生きがいを見出す人生だとしても
”自分だけの色”は必ずしも必要ではなく、
”傍らに同じ色の仲間がいること”
が人生に潤いを与えてくれる。
スーパースターになるより、仲間の存在に気づくのはとっても簡単。
そう思うと、肩の力がすっと抜けて、気持ちが楽になるものです。