2017年の4月15日に劇場公開された松谷光絵監督によるドキュメンタリー映画「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」
「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」は、ターシャ・テューダー生誕100周年記念作品になります。
ターシャ・テューダーとは?
アメリカ生まれの絵本作家で園芸家。ターシャ・テューダーの描く絵は、感謝祭のカードやホワイトハウスのポスターに使われています。
また、園芸家としても有名で、広大な庭を品よくガーデニングする様子に、日本でのファンも多いです。
長期間の撮影 貴重な映像
「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」はアメリカを代表する絵本作家の著作の魅力だけではなく、自由気ままな生きざまに引き込まれていきます。
10年間にも及ぶ中で撮り続けられてきた貴重なライブラリ映像は他では見られません。
ターシャ・テューダーの感受性豊かな芸術性や独特な創作活動だけではなく、スローライフの母としての生き方や価値観が印象深かいです。
自然に寄り添うように営まれる暮らしぶりからは、今の時代に多くの人が求めている大切なものを感じることができます。
ターシャ・テューダーの魅力
膨大な数に上るインタビューにひとつひとつ丁寧に答える姿勢からは、世界中で愛された彼女の魅力がうかがえます。
子育てを終えて56歳になったターシャが建てた、バーモント州の山小屋は美しさに溢れていました。18世紀スタイルの農家からは、古き良きアメリカのコテージガーデンの理想郷が思い浮かびます。
採れたてのフルーツをたっぷりと使用していジャムや、自らが育てた小麦を挽いて焼き上げたスイーツが実に美味しそう。
水彩画のような豊かな自然に囲まれている風景の中で、愛犬と気の置けない仲間たちとの静かで平和な生活が微笑ましいです。
心に残るターシャ・テューダーのセリフ
「思うとおりに歩けばいいのよ」
ターシャのセリフは、長い人生の中で哀しみや苦しみがあったからこそのもの。さらりと「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」で告げられていますが、ファンにはとても重いセリフです。
「自分らしく生きる」ということなのでしょうが、これがなかなかできません。だからこそ、理想を実現したターシャ・テューダーに人々は注目するのでしょう。
日本でもターシャ・テューダーの生き方は注目されている
絵本や彼女の言葉を集めた書籍が日本でも販売されていて、全国各地でターシャ・テューダーの展覧会が開催されています。
これまでは撮影を許されなかったプライベート映像からは、愛する人たちへのメッセージが込められていました。秘蔵映像として公開された現在のテューダーファミリーからは、相も変らぬ様子が印象深かったです。
2008年にターシャ・テューダーは死去。映し出されて主のいなくなったコーギーコテージは少しさみしいです。
数多くの著作だけではなく「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」のスクリーンを通して、ターシャの人柄に触れることができるはず。
ターシャ・テューダーがこの世を去ったあとでも、多くの人の心の中で生き続けている様子が感動的でした。
毎日の繰り返しや日々の仕事に疲れてしまった人に、「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」は見ていただきたい作品です。