2017年の3月31日に劇場公開されたバリー・ジェンキンス監督によるヒューマンドラマになり、タレル・アルバン・マクレイニーの未発表の戯曲を映像化した作品「MOONLIGHT」。
「MOONLIGHT」は、アカデミー賞作品賞・脚色賞・助演男優賞の3部門を受賞するなど、国内外問わず高く評価されています。
MOONLIGHTあらすじ
ふたりのアフリカ系アメリカ人の運命を、情緒豊かなタッチで描き切った「MOONLIGHT」。
華やかなリゾート地として有名なフロリダ州の中でも、マイアミの貧困層居住地区の鬱屈とした思いと日常生活が映し出していきます。
主人公の少年が青年へと成長していく生きざまが、3つのパートに分けられたストーリー展開で引き込まれていきます。
第1部と第2部は。回想パート。彩り豊かで美しさに溢れています。
第3部の現在パートがザラザラとした画質で無骨なイメージのコントラストが鮮やか。
底辺の二人、シャロンとケヴィン
イジメや過酷な現実に向き合うシャロン。友達は、ケヴィン1人です。
父親の愛にひたすら飢えているシャロンを優しく導くファンの役には、マハーシャラ・アリが圧倒的な存在感放っています。
違法な薬物を売りさばく売人夫婦をはじめとする、社会から見捨てられてしまった人たちに優しいまなざしを注いでいました。
マハーシャラ・アリ出演作品
ボッグズ大佐役で出ています。
ベンジャミンバトンではティジー役で出ています。
成長する2人は大人になっていく
高校生になったシャロンとケヴィンが、月明かりの下で愛を交わすシーンの美しさが圧巻でした。ふたりがお互いの気持ちを確かめ合うことによって、急速に加速していく物語が印象深かったです。
か弱いイメージしかなかったシャロンが筋骨隆々とした肉体と野太い声を手に入れた、第3部には驚かされました。
純真無垢な感受性や心が汚されていく、一抹のさみしさ。
最後まで満たされることのないシャロンの虚無感と、皮肉ななかにもやさしさで溢れるようなクライマックスシーンが「MOONLIGHT」の見どころです。
曲も聞き逃せない「MOONLIGHT」
アフロカルチャーをテーマにした「MOONLIGHT」ですが、ヒップホップ以外の洗練された音楽も心地よく聞くことができます。
ニコラス・ブリテル作曲のオリジナルテーマ曲や、ブラジルでシンガーソングライターとして活躍し続けているカエターノ・ヴェローゾ。一度聞くと、歌声が忘れがたいです。
人種差別や性的マイノリティへの差別に対する、痛切なメッセージが込められています。
まとめ
異質な存在や和を乱す人たちをあっさりと排除してしまうような時代だからこそ、「MOONLIGHT」は多くの人に見ていただきたいです。