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子供から大人まで楽しめる『プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂』

ペルシャ帝国のシャラマン王は、気高くたくましい、慈悲深い王でした。彼にはれっきとした2人の王子、タス王子とガージヴ王子がいましたが、孤児であるダスタンを養子に迎えました。勇気があり正義感のあるダスタン王子は、2人の兄と本当の兄弟のように育ちました。

プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂あらすじ

コシュカーンへは3王子共に遠征し戦果を上げるほど、3人とも武勇にも優れていました。その遠征の最中、王の弟にして王子らの叔父ニザムとタス王子は、聖都アラムートの反旗を知ります。

当然彼らはアラムートへの攻撃を開始します。ただダスタンは戦の被害を拡大させない為、奇襲攻撃を勝手に行いました。

その際、アラムートから逃走しようとした騎士から美しい短剣を手に入れました。それとは別にアラムート戦に勝利した王子らは、人質としてアラムートのタミーナ王女を伴って帝国へ帰還します。

国では王子らの功績を讃え、祝宴が開かれました。王も勿論出席しています。ダスタン王子は、兄タス王子から渡された美しい法衣を父王にそこで捧げました。初め機嫌よく嬉しそうにそれを着たシャラマン王でしたが、突如として苦しみ、彼の体から煙が立ち込めます。

なんとその衣には毒が塗られており、直ぐ様その毒でシャラマンは死んでしまったのです。祝宴に集まった皆が見ていた中での出来事に、皆がダスタン王子を疑いました。

勿論彼は潔白でしたが、突然の事態に逃げるしか手段がありませんでした。これを境に、ダスタンは王殺しの罪で追われることになってしまったのです。 

ディズニー映画という事もあり、夢があり壮大 

わかりやすい王道な展開ながらも、ディズニー映画として見る人を飽きさせない工夫が沢山。

ペルシャ帝国という偉大な王(皇帝)が統治する中に、たくましく凛々しいイケメンの王子様達は、子供も大人も、男女問わず受け入れられたことでしょう。

壮大な宮殿からのダスタン王子の逃亡劇も必見ながら、「時間の砂」の力を持つ短剣という、魔法のような力にも目を惹かれます。

また意表を突くストーリーもまた多くありました。

特に、ダスタン王子が王殺しの罪をかけられた時、誰もがタス王子を疑ったことでしょう。孤児出身のダスタンが、王に可愛がられていたりする光景は、実子にして長男の彼には許せなかったのだろう…と。

しかし事実は全く違いました。タス王子は、一時はダスタンを疑うものの、最後はしっかり兄として彼を救いました。

お姫様、タミーナ王女との逃避行

ダスタンは、王殺しの疑いで宮殿から追われる身となりました。しかし「時間の砂」の短剣を持つタミーナ王女が彼の逃亡を手助けします。

勿論自分とアラムート人の為でもありますが、その短剣の強大な力を悪しき者達から守る為でもありました。

彼女は巫女でもあり、その力を悪用されれば、歴史を変えることもできたので、それを何としても防ぎたかったのです。

時間を戻し、過去を変えれば世界を支配することすらできます。とはいえ、タミーナ王女はお姫様育ち、そんな彼女を連れて逃走するのはダスタン王子にとっては大変です。

時にわがままな彼女と言い争いも多くしました。しかしその逃避行の最中、2人にはある感情も芽生えました。それは「愛」です。これを知っているとラストのシーンが若干切なくも見えました。

まるで推理もの!黒幕の正体とは?

ダスタン王子が罪をかぶれば、一番得をするのはタス王子です。父王が死んで、自分が王になれたからです。

その為、ダスタンが助けを求めたのは、信頼できる叔父ニザムです。父王の葬儀にまぎれて、助けを求めに行きました。

ところが何とそのニザムは自分を殺しにかかってきました。実は彼こそが真犯人。その証拠は、彼の手に父王が死んだ時にできたものと似た、毒で追った火傷のような跡があったからです。黒幕を知ったダスタンは、逃亡の身ながらも何とか兄達に接触しようとしました。勿論彼らは初め信じません。

とは言え、ガージヴ王子は弟ダスタンに剣を突きつけるもそれを振り下ろすことができませんでした。そこに真実が発覚することを恐れたニザムが、ハッサンシンという暗殺集団を送り込み、ガージヴ王子とその部下もろとも暗殺させてしまいます。

死に間際にガージヴ王子は弟を信じましたが、もはやダスタンが協力を求めることができない存在となってしまいました。 

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兄タスの弟への家族愛

暗殺集団ハッサンシンは、その組織を解体された存在のはずでした。ところがニザムがそれを密かに守り保護し、自分の為の集団にしたのです。

次兄ガージヴ王子が殺されたこともあり、ダスタンは兄タス王の下へ向かいました。猛烈なハッサンシンの攻撃をかわしながら、宮殿へと入り込み、タスに対面しました。

そして真実と「時間の砂」の短剣の話をします。しかしすぐには信じられないタスに、ダスタンはある計略を持ちかけました。ニザムの手前、タスはダスタンを殺しましたが、ダスタンを信じたタスは短剣の力で時間を戻し、ダスタンを生き返らすことに成功しました。これは2人が再び兄弟に戻った瞬間で、視聴者一同「疑って悪かった」と心の中でタスに侘びたことでしょう。

ところが喜びもつかの間、ニザムにタスは殺されてしまい、短剣も彼に奪われてしまいました。タスへの感情が一転する瞬間でもありました。

決戦と、その後の急展開

ニザムは、かつて兄シャラマンを殺す機会がありました。しかしその頃は幼く、兄を殺す事など到底できませんでした。

しかし大人になって、王になれない現実を強く認識した時、考えが変わってしまいました。つまり自分が王になる為、時間を戻し兄を殺そうとしていたのです。

加えて「時間の砂」の短剣の力があれば、王どころか世界の支配者にもなれました。そして、その力を発動できる遺跡に来たニザムですが、そうはダスタンやタミーナ王女が許しません。それでも、ニザムは何が何でも短剣を渡さず、ついに遺跡の力とあわせて、その絶大な力を発動させてしまいました。

その最中、タミーナ王女は崖から落ち、命を失ってしまいますが、ダスタンは彼女を救う為にも必死に、ニザムから短剣を奪い返します。奪い返したダスタンに力は渡ったようで、時が大きく戻りました。

それはアラムート襲撃の前という時間です。

この時は皆がまだ生きている時でもあります。未来を知っているダスタンは直ぐ様兄らに、ニザムの反逆を訴え、彼を捕らえることに成功し、一連のニザムの謀略を防ぐことができたのでした。またアラムートの反旗の知らせも、ニザムがでっち上げたこともわかり、両国は平和の契りを結ぶこととなりました。

タミーナ王女には、これまでダスタンと一緒に助け合い戦った記憶は当然ありませんが、何か惹かれ合うものがあり、最後2人はタスの勧めで結ばれたのでした。一時はどうなるかと思ったストーリーが、ハッピーエンドで終わったのでした。 

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