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聞こえる人も聞こえない人も 映画「きらめく拍手の音」

映画「きらめく拍手の音」は、聴覚障がい者の父親と母親から生まれたひとりの娘が、両親にカメラを向けていくところから始まっていきます。


大人になった子どもが送るプレゼントになっているのが感動的

 

韓国映画界だけではなく、世界中から活躍を期待されている若さ溢れる才能。「きらめく拍手の音」は、イギル・ボラ監督の初作品になります。

人間関係維持できない障がい者の家族が抱えている社会的な問題を解決するため模索している様子が印象的な作品です。

 

アジアの新鋭が問いかける「きらめく拍手の音」

 2015年の山形国際ドキュメンタリー映画祭2015で来日したイギル・ボラ監督。美しさの中にも深い知性を持つ風貌。

高校を中退した後に東南アジアを放浪していたことなどから、自由奔放な映画製作のスタイルができあがったそう。

父親と母親にカメラを向けたということは、映画の中で自らのルーツを探す旅に出ていたのでしょうか。

「きらめく拍手の音」でアジア千波万波部門で特別賞を受賞したのは、栄光だけではなくまた苦悩残したのかもしれません。

親と社会を繋ぐ子ども

 

 聴覚障がい者の両親を持っている子供たちは、手話を覚えていくことで親子のコミュニケーション能力を高めていきます。

手話は手のひらの動きだけではなく顔の 表情を豊かに変化させていくことで、初めて相手に自分の気持ちを伝えることができるのです。

一方では親と社会を繋ぐという重大な役割を背負って生きていかなくてはいけません。それは本人の努力だけでは解決する問題ではないはずです。

子供たちが社会から孤立してしまうことがないように周りの人たちが手を差し伸べる必要性を、「きらめく拍手の音」の中では強く訴えかけていました。  

幸せに生きることが何より

 大人になったイギル・ボラ監督は、「きらめく拍手の音」を完成させることによって、両親への感謝の気持ちを伝えることができました。

成長した娘の姿は、子を持つ親にとっては何よりのプレゼント。

これからもドキュメ ンタリー映画の創作活動を続けていくことは、「きらめく拍手の音」を見た人たちだけではなく、家族の人たちも強く望んでいるはずです。

映画を通して障害のある人もない人も幸せに暮らすことができる社会の実現を目指していることが、、「きらめく拍手の音」にこめられています。

次回作は、ベトナムを舞台にしたも作品。イギル・ボラ監督は、これからも旅を続けていくはずです。

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