普通の女子高生キャシーは、同級生とふざけ合ったり、格好良い同級生がいればちょっとしたトキメキを感じながらも、本気にはまだ慣れないどこか子供っぽさが残る普通の女の子でした。
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『フィフス・ウェイブ』あらすじ
普通の女子高生キャシーの生活がある日突然終わりを迎えました。突如として地球を超巨大物体が周回し始めます。静かにそれはキャシーの街の上空にも現れました。何かをするわけでもないその飛行物体でしたが、地球上あらゆる電子機器を停止させるほどの強力な電磁パルスを発しました。
スマホといった小さな機械から飛行機にいたる巨大なものまで、全ての機械が使用できなくなりました。そしてさらなる超巨大物体が起こしたウェイブに、人類は種の存続すら危ぶまれる事態に陥っていくのです。
確実に種を根絶させようとするアザーズ
人類は、知的生命体をアザーズと呼び、彼らに確実に絶滅させられようとしています。初めの電磁パルス攻撃が終わると、地球上の水源を利用した大津波攻撃をしかけてきます。地球上の沿岸部は壊滅し、島々は沈んでしまいます。
キャシーの住む街も湖の洪水により大打撃を受けますが、家族は無事でした。しかし次のアザーズの攻撃は伝染病攻撃でした。鳥のウイルスを爆発的に増殖させられた為、次々に人類は疫病にかかり死んでいきます。その中でキャシーの母リサは病死します。悲しみを惜しみつつ、残った父オリヴァーと弟サムと共に、生き残った人々が集まるキャンプへと向かいます。
そのキャンプへヴォーシュ大佐率いる軍が救出を名目に現れ、子供のみを基地へと連れて行きます。ですがそれ以外の大人は軍によって殺されるという事態になります。その中にオリヴァーもおり、基地行きのバスに乗り遅れたキャシーは、彼の死ぬ瞬間を見てしまうという悲惨な状況に絶望しました。
アザーズは人類に取り付くことができる異星人であり、その外見を見分ける事はできません。それを聞いた大人達がキャンプの人を疑い、また軍人達をも疑い、収集がつかなくなった…というのが表向きの話です。ですが、実は軍人達こそがアザーズが取り付いたスパイ集団だったのです。
単身弟を助けにいくキャシーに助け舟か?
1人キャンプに取り残されたキャシーは、単身キャンプより脱出し、弟が連れて行かれたヴォーシュ大佐の基地へ向かいます。しかしその道のりは遠く険しいものでした。
キャシー本人もまだアザーズが軍に扮していることに気づいていない為、父を含む無力な人達を殺す集団がいる事に恐怖し、過度に疑心暗鬼になります。その為、銃を持った負傷した人を誤って銃殺してしまいます。
キャシーの心は病んでいきますが、今度は自身がアザーズが扮した人間に殺されそうになります。その最中、足を撃たれた彼女は動けなくなり気絶します。しかし彼女が目覚めると見知らぬ男性が看病してくれていたのです。それがエヴァンでした。看病してくれたとはいえ彼を信用しきれないキャシーは彼を疑い続けました。
キャシー、エヴァンに心を開く
エヴァンの対応はとても誠実でした。また彼はたくましく武術にも長けていました。キャシーは彼に身を守る術として、銃を奪う方法を教わるほど、2人の関係は近づきます。また家族やサム、かつての男子同級生のベンの話等で、キャシーの心は和らいでいきました。
そしてエヴァンを男としても見るようになり、2人はさらに親密になり、体をも委ねられる関係となりました。初めて会った時の2人とは全く別の様相となりました。そしてエヴァンの助けのもと、キャシーは弟サムの救出に再出発するのです。エヴァンの誠実さがキャシーに伝わっていくのがよくわかります。
高校生ベンは新兵になるも真実を導き出す
生き残りのキャンプで連れて行かれた子供達は、まだ軍がアザーズである事に気づいていませんでした。アザーズ扮する軍人たちは言葉巧みに子供達を騙し、自分達に従順な兵へと変えていきました。
彼らアザーズは、「君たちの家族や大切な人を奪った敵アザーズに復讐するチャンス」だと言って子供達を利用します。時に強く、時に優しく接し、アメとムチを使い分け、ヴォーシュ大佐らの子供達への見事な演技に皆騙されたのです。
キャシーの幼い弟サムやキャシーの同級生ベンも言われるがまま新兵となりました。ちなみに幼いサムを気遣ったベンは彼を実戦に行かせないようにして、自らは前線へと繰り出されました。
しかし戦いの最中アザーズの正体が軍そのものである事に気づき、サム救出の為軍に戻るのです。この点はよく出来た衝撃の真実で驚かされました。人類を殺す為に、人類を洗脳して戦わせるという手法はえげつなくも、自分達の手を汚さず、被害も抑えられるというアザーズの戦略は見事です。
一度はエヴァンの正体にキャシーは拒絶するも…
キャシーもまた驚愕の真実にうちのめされました。エヴァンもまたアザーズだったからです。ですが彼はかつて地球に潜伏したスパイでありながら、人の肉体と心を持った存在でした。キャシーとの出会いによって、彼は「アザーズ」と「人」が葛藤し、「人」となったのでした。
この事を初め受け入れられなかったキャシーは、再び彼を拒絶し、1人でサム救出に向かいました。しかしそれでもエヴァンの助言もあって、無事基地に潜入し、弟を見つけることができました。
さらにキャシーのピンチの際には再び彼は現れて、サムやベンと共に基地から脱出できるように計らってくれました。ベンの前でキャシーは、エヴァンに別れと許し、そして愛のキスを交わします。
それは非常時ながらも濃厚で、ベンがたじろうほどでした。その後エヴァンは基地を爆破してヴォーシュ大佐らへ大きな打撃を与えたのです。ですがこれで人類の戦いが終わったわけではありません。
生き残ったキャシーと新兵となっていた子供達はこれからの生きる道を探ろうとしていました。ちなみに、エヴァンの生死は不明で、続編が期待されるような終わりを迎えたのです。