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揺れる三角関係を描いた恋愛漫画「翔んだカップル」

東京の名門高校に合格した田代勇介は、海外赴任で空き家となった親戚の家に住む事になった。

翔んだカップルあらすじ

その家の空いた部屋を誰か男の人に貸して小遣いにしようとした勇介だったが、不動産屋の手違いから、同じクラスの元気でかわいい女の子・圭が引っ越してくる事になる。

クラスでひと目見て圭をかわいいと思っていた勇介だが、おてんばな圭とはつまらないことでどうしても衝突。そんな勇介に、同じクラスメイトの杉村秋美が好意を寄せて…

 

ファーストキスは好きな人ではなく好きになってくれた人

圭の事が好きな勇介ですが、自分を好きになってくれるのは美女で才女の杉村です。

マンションでひとり暮らしの杉村は、勇介と圭が一緒の家に住んでいる事を知らずに、自分の部屋での同棲を迫ります。

心が揺れる勇介ですが、杉村の部屋で何気ない話をしている時に、彼女からキスをされ、激しく動揺してしまいます。

その場は慌てて杉村の家を出て行った勇介も、それからはどうしてもつまらない事で衝突してしまう圭よりも杉村に心が動いてしまうようになります。

杉村とは気が合い、また自分を受け入れてくれる女性に、男心が動いてしまうのです。

 

他の女性との関係が気になって素直になれない圭

一方の圭は、クラスで「美人なら、杉村さん。かわいさなら、圭ちゃん」といわれるほど人気があります。

明るく元気でかわいい圭は、どこか子供っぽさが抜けきらず、恋愛に対しても無頓着で奥手です。

圭は勇介の事を最初はクラスメイトでただの同居人だと思っていましたが、だんだん彼に惹かれていきます。

本当は好きなのに、恋愛に対してどうしても奥手で、しかも杉村と勇介の関係が気になって仕方がない圭は、自分の気持ちに素直になれません。

そんな彼女は、いい寄ってくる男のひとりと交際をしますが、勇介の事が気になってどこかで他の男性を拒んでしまいます。

失恋のショックから自暴自棄に

勇介は杉村のうちに何度も泊まるようになります。ようやく杉村さんと正面から付き合えるようになった勇介ですが、杉村はとつぜん海外留学してしまいます。

名門進学校に入った杉村は、入学当時から交換留学を希望していたのですが、勇介を好きになり、心が揺らいでいたのです。

勇介と圭の関係、そして勇介が圭を好きなのだろうと思う気持ちから、留学を決心したのでした。

留学の前日である学園祭の最後に、一緒にキャンプファイアーを楽しんで肩を組む勇介と杉村。しかしその直後、留学の事を知らされます。

空港で必死に止めますが、彼女の旅立ちに涙が止まらなくなり、勇介は強い喪失感から生活が乱れていきます。

青春の悩みの中で深い関係になる勇介

杉村が去った後、圭をめぐって勇介とトラブルを起こしていたクラスメイトの中山が交通事故で死にます。

また、杉浦さんと別れて自暴自棄になっていた勇介は、不良少女の絵里と深い関係になって一線を超えますが、圭や杉村さんの事が気になって、どうしても絵里を受け入れきれません。

苦しむ勇介は続けていた部活動も辞めてしまい、学校も休みがちになってしまいます。そんな時に杉村が海外留学から帰ってきます。

杉村さんといると心が落ち着く勇介。心は圭が好きなのに圭とは相性が合わず、杉村さんとは相性が合い、自然と体も許しあう仲になります。

しかし、まだ高校生のふたりには…

翔んだカップル作者柳沢きみおの他作品

 

リアル恋愛漫画の草分け的な作品

「翔んだカップル」は、1978年から81年まで、週刊少年マガジンに連載された恋愛漫画です。連載当時はラブコメディ調であった物語も、すぐにメロドラマのような重い恋愛ストーリーとなりました。

スポーツやギャグ、そして劇画調のドラマが多い当時の少年誌の中で、「翔んだカップル」は異色の作品でした。

少女漫画では恋愛が扱われていましたが、そちらでも少女とそれを無条件に受け入れる王子様のような男性という描写が多く、リアルな恋愛模様が描かれたものは少ない状態でした。

「翔んだカップル」は大ヒットし、映画やテレビドラマにもなり、リアル恋愛漫画の嚆矢となり、以降の漫画における恋愛ストーリーの礎を築いたのでした。

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