横浜にある高校で学年トップの成績の桃子は、喫茶店を経営する夫妻に養女として育てられるが、義理の母と、この家の実の子供である兄妹からいじめに近いほど辛くあたられている。
ハイティーン・ブギあらすじ
そんな桃子の通う高校に、札付きの不良・翔が転校してくる。彼は横浜で有名な暴走族のリーダーだが、家が財閥なのでその力で高校に入れてしまうのだった。
ふとしたきっかけで出会っていた翔と桃子だったが、この学校でルームメイトとして偶然の再会を果たす。翔は桃子に迫るが、桃子は冷たい。
しかし彼の強さや誠実さに触れ、桃子は次第に翔に魅かれていく。
二人で生きる決心をする高校生
「十代後半の若者のブギ」の恋愛物語は、社会から拒絶された学歴も財産もない10代の若者ふたりが、古いアパートに一緒に住んで、相手との愛だけを支えにがんばって生きていこうとする物語です。
翔のアタックを拒否したい桃子は、「暴走族をやめたら考えてもいい」など様々な難題を与えますが、翔はそれらの条件をすべて受け入れ、制裁を受けながら暴走族を抜けてきます。ある日義理の兄から強姦されそうになった桃子は、「桃子が誘惑してきた」という義兄の嘘にだまされた義母に勘当され、路頭に迷います。
桃子に「俺のところに来いよ」と桃子を自分の部屋に招く翔。しかし、財閥の跡取りとして父から期待を寄せられた翔には許嫁がおり、彼も勘当されてしまいます。
翔と桃子は、お互いにアルバイトをしながら小さなアパートに住み、高校もやめて一緒に生きていく決心をします。
親友の子を自分の子として受け入れる翔
翔が抜けた暴走族には所属する未樹。彼女は翔に思いを寄せており、同じ暴走族にいる翔の親友・重に桃子を強姦するよう依頼します。
薬で眠らされて輪姦された桃子は、真実を知らないまま妊娠してしまいます。一方、その事実を知った翔は親友であった重と絶交。
ある日、翔の子供と信じて疑わない桃子から妊娠を告げられて翔は激しく動揺、すぐに堕胎するように言います。桃子は翔の動揺を見て、事実を察してしまいます。
二人にとって、強姦の末の妊娠は大きな障害となってしまいますが、桃子と一緒に生きていくために、翔はこの子供を「俺の子だ」と桃子に嘘を告げ、生きていく決心をします。
互いを思うがあまりに別離を選択するふたり
必死で生きようとする二人ですが、高校中退であまりに少ないアルバイトの給料、狭いアパート、そして妊娠。頑張っても若すぎるふたりには障害が大きすぎました。
そんな中、翔の父が奸計をめぐらせます。「翔が海外留学をして家を継ぐのであれば、桃子さんと子供の面倒を見よう」というのです。
父は翔を留学させ、海外で許嫁と結婚させてしまおうと企んだのです。桃子は、翔が留学したら二度と会えなくなると察しています。
しかし、出産費用を稼ぐために毎日深夜に疲れ切って帰ってくる翔を見て、このままでは翔が駄目になると考え、別れたくないと思いながら翔に留学を勧めます。
翔も桃子と別れたくないと思いつつ、桃子と子供のために留学を決意します。お互いに好きでありながら、お互いに相手を思って別れを決意するのです。
海に飛び込んで帰ってくる翔
学校も家も捨て、互いへの想いの強さだけを頼りに一緒に生きていく決心をした二人。それだけ強い思いがあったにも拘らず、別れを選択してしまった二人。
翔は何年か留学して帰ってきたら桃子や子供と生きられると思っていますが、桃子はこれが別れだと思っています。辛くなった桃子は、翔と合わずにの頃に時間を過ごします。
桃子が姿すら見せなくなった事に動揺する翔。そして、留学先に旅立つ船の上から港を眺めると、涙を流して翔を見送る桃子の姿が。
翔はすでに港を出た船の上から海に飛び込み、はじめて桃子と出会った港まで泳いで帰ってきます。
忘れられた大傑作純愛漫画のひとつ
「ハイティーン・ブギ」は、1977年から20代の女性向けに作られた漫画雑誌「プチコミック」に連載されました。
70年代後半は暴走族問題、若者の同棲問題、そして恋愛婚が見合い婚に迫り追い抜いて行く過渡期という時代でもありました。当時の社会状況を鑑みながら、財産や学歴などの条件ではなく、純粋に相手への想いという点だけに着目したこの恋愛漫画は大ヒットしました。
近藤真彦主演で映画化もされ、歌もヒット。
ただ、あまりメジャーとは言えない雑誌に連載された事や、時代背景が今と異なる事などが原因なのか、なかなか見返される事がないまま現在に至ってしまいます。忘れられた名作のひとつだと思います。