矢沢あいの作品「ご近所物語」。ものすごく昔の作品ですが、今、読み返しても、服と恋愛で楽しめる作品です。
矢沢あいの作品には「パラダイスキス」という漫画があります。実は、「ご近所物語」は、「パラダイスキス」の続きの漫画。
世界観がリンクしています。どちらから読んでも楽しめますが、やはり矢沢あいの世界を楽しむなら、「ご近所物語」→「パラダイスキス」です。
「パラダイスキス」は向井理、北川景子主演で映画化もされています。
作者矢沢あいさんはどんな人物?
「NANA」や「天使なんかじゃない」などヒット作多数。
最近は歌手のJUJUさんの新曲にイラストを描かれたということで、ネットニュースでもお見かけしました。
矢沢あい、JUJU新曲の主人公を描き下ろし「イメージがいっきに湧き上がってきた」(コメントあり) - コミックナタリー
「ご近所物語」の楽しめるポイント
ご近所物語は、古い作品とは思えないほどオシャレでカワイイ洋服たちがたくさん出てきます。
主人公が洋服作りが好きで、将来は自分のお店を持つことを夢みる(目標にしている)女の子で、服飾系の学校に通っているのでとにかく登場人物みんながオシャレなんです。カワイイんです。カッコイイんです。
一応、少女漫画のはずですが(りぼんで連載していたので小中学生がターゲットのはずなのですが)あんまり恋愛漫画って感じではありません。
両親の離婚による悲しみとか、仲間の絆とか、ラブラブになっても相手に依存せずに自立して生きていくこととか、夢に向かう姿勢とか…色々と恋愛以外の要素も満載でもちろん恋愛もあります。
主人公カップルだけでなく、周りのキャラクターたちにも色々と…。
矢沢あいさん独特のせつない表情とか、苦しくなるくらいの間とか、今読んでもまったく古さを感じさせない心に響くセリフとか、とにかく素敵な漫画。
私はパラキスから読み始めたので、主人公が誰とくっつくか、夢は叶うのか、分かってて読みました。
分かっていても十分に素敵な物語なのです。
特に最後の「復活編」はパラダイスキスにそのまま繋がっていてとても楽しく読めましたし、頭の中で相関図が浮かんでは「あれ?あの人の子供がこの子と同じ年?」みたいに色々と考えられるのも楽しい一時でした。
ネタバレあり 「ご近所物語」のキャラクター考察
最後にネタバレ満載の私のお気に入りポイントです。
まず主人公が少女漫画なのに言葉遣いが綺麗ではない、純粋でいい子ではあるけれど、ちょっと性格が悪いというか人の事を見た目で決めつけて嫌ってしまったり、協調性がまったくなく我が道を進むタイプの子です。
それが原因でいじめられたり、多分人見知りなんだと思うのですが、私と違って社交性がなく、ある意味とても羨ましい存在です。
一番感動したのはパパとの再会のシーンで、恋愛要素はありませんがパパがいい人過ぎて胸がキュンとなりました。
登場人物みんなにそれぞれの才能があります。同じ専門的な学校に通っていても進む人生も色々。服飾学校を知らない人には勉強にもなります!
今更でも読んでみて遅くない素敵な作品「ご近所物語」。
皆様にぜひおススメします。