夏になると肝試しやお化け屋敷などさまざまなホラーな体験がありますよね。手軽に楽しめるホラーといえば漫画。今回は人気のホラー漫画を紹介します。眠れない暑い夏の夜にぜひ涼しくなってください。お化け以外のヒューマンホラーもありますので・・・
絶叫学級 いしかわえみ
少女マンガを敬遠される方がいるかもしれませんが、ほとんどの話が1話読み切りということで読みやすく、各話で主人公が変わるのでキャラクターに飽きず楽しめます。
少女向けなので登場人物は小中学生がメイン。絵は可愛らしく丁寧な作画で見やすいです。話はもの凄く怖いわけではないけど、ホラーだけあってやっぱり怖い、不気味さはあります。幽霊が怖いというより人という生き物が怖いともいえます。
それぞれの主人公とは別に、ナビゲーターとしてセーラー服を着た髪の長い幽霊・黄泉とい女の子が登場します。黄泉ちゃんが人として生きていて、なぜ死ぬことになったのかを知ることが出来るせつない話も必見です。
絶叫学級は20巻で完結しましたが、続編の「絶叫学級 転生」でまた黄泉ちゃんに会うことが出来ます。ぜひ一度、このマンガを手に取ってみてください。
少女椿 丸尾末広
この漫画は、みどりちゃんの成長について描かれています。
冒頭でお母さんが亡くなってしまい、ひろった花を手提げのかごに入れて販売しているところに、見世物小屋を訪ねるよう勧められ、そこで働くことになりますが、大変な仕打ちにあってしまいます。
みどりちゃんは、給料が貰えないまま店長に逃げられたり、休日に可愛がっていた野良の小犬を煮物にされたりします。
鞭棄、カナブン、ワンダー正光、それぞれのキャラクターはくっきりしており、幻術の方法を目撃したみどりちゃんとワンダー正光の間では暗黙の理解が起こります。
怪奇現象は少ないですが、登場キャラクターの作りがとても変わっていて、恐ろしいことが日常になっているという理由から、ホラー漫画としておすすめします。
伊藤潤二傑作集6 路地裏
ホラー界において唯一無二の存在感を誇る、伊藤潤二氏短編集の路地裏。一話完結で11話収録されており、読み応えは抜群です。バリエーションに富んでいて、特に伊藤潤二作品を読んだことの無い方は、彼の世界観を知るのに打ってつけの作品です。
彼の代表作“富江”を読んだ事のある方にも、それとはまた一味も二味も違う面白さがあるので是非オススメします。ミステリアスな少女・忍や、一度読んだら忘れる事の出来ない淵さん等、魅力的で奇抜な人物も沢山登場します。
奇妙で不気味な雰囲気を醸しつつ、シュールな笑いの要素も所々に散りばめられており、病みつきになる事間違いなし。これを読み切ったあなたはすぐに彼の他の作品に手を伸ばしてしまうでしょう。
ジンメン カトウ タカヒロ
最初読んだときは意味もわからず気持ち悪かったです。
主人公の神宮マサトが動物園で顔だけジンメンの動物達に遭遇するところから私は鳥肌が立ちました。
最初顔だけ人面だけだったのでそこまで怖くなかったのですが、喋りだし人を害のある物と判断し動物が人を殺していくのが恐怖感を感じました。
作家のカトウタカヒロさんの動物の書き方も綺麗でちゃんと動物の絵なのですが、その動物に人の顔があり夜中に見ると夢にできそうなインパクトのあります。
ストーリーは人が動物と立場が逆転して襲われていきハナコの人間に対しての発言が物凄く納得してしまいいつか現実にあったらと思うとゾッとしました。ただグロいだけではなく、考えさせられるホラー漫画でした。
アイアムアヒーロー 花沢健吾
私がオススメするホラー漫画はアイアムアヒーローです。作家名は花沢健吾さんで、主要登場人物は鈴木英雄、早狩比呂美、藪、小田つぐみの4人です。
この本をオススメする理由は普通の日常からゆっくりと確実に不穏な空気になっていき、大パニックになるまでの流れまで主人公と共に紐解いていく感覚で、何が起きてどうなってるのかの様な流れが本当に秀逸です。
唐突な話の進み方をしない流れにこだわりを感じることができます。
そして、最悪な事態に戸惑いなら行動する主人公に、次から次に襲い来る恐怖などの表現が非常に上手い。ジワジワくる恐怖や衝撃の恐怖が随所に描かれており脳裏に焼きつくようなシーンなどもあり兎に角衝撃的な部分がオススメです。
読み始めたら必ず病みつきになります。この作品はショッキングな暴力表現や流血シーンもありグロテスクな表現も描かれておりホラー漫画好きの人には自信を持ってオススメできます。
彼岸島 松本光司
松本光司が執筆する漫画「彼岸島」は現在第一章の33巻と、2章の16巻 そして3章が現在も刊行中です。
主人校である宮本明と友人たちは彼岸島という島に向いました。そこは吸血鬼や怪物の巣窟になっており、人間は彼らの食料となってしまっていて、人間軍を率いる明と吸血鬼との戦いを描いています。
オススメの理由としては、ホラーが苦手な人も得意な人も楽しめるという点です。
実際敵は非常に恐怖心を煽る造形をしていますし、吸血鬼たちの残虐な行為は恐ろしいですが、明は強くそれらを倒していきますので安心感があります。
同時に明らかにツッコミどころ満載のシーンが多いので、一部のファンからは「もはやギャグマンガ」と呼ばれていて笑いどころもあります。
ホラーのシーンはしっかりありますが、それと同じぐらいアクションや面白いシーンも多いのでおすすめです。
百鬼夜行抄 今市子
とっても有名だと思いますが、今市子さんの百鬼夜行妙も人気があります。ホラーなんですが幻想的で読後は何となくおだやな気持ちになれます。
寝る前にお布団で読んでも夜中のトイレが怖くないっていうのもありがたいです。
絵柄もキレイですし、和風の要素が満載なのも私の好みに合致していて、それこそ中学生の頃から愛読しています。
毎回ハッピーエンドでもないのが何となく現実的な感じで、たまに泣けたり大いに笑えたりするので純粋に怖さだけを求めるのであれば少し違うかもしれませんが、ファンタジーと現実的な要素が混ざりあってて幻想的なストーリーで何度読み返しても飽きることがないですし、ぜひコレクションに加えていただくことをオススメします!
漂流教室 楳図かずお
ホラー漫画で人気の作家といえば楳図かずおさん。そして長有名作品の漂流教室。
主要登場人物は、小学生の主人公・高松翔という少年。ある日母親と喧嘩して学校に行ったら、周りは砂漠のような違う世界みたいな場所に小学校が移動してしまうという驚きの展開でワクワクします。
また、食料の問題や飲み水の確保など色んな問題が次々と出てきます。
感染病にかかってしまったり、変な生き物が襲ってきて戦ったりとハラハラする場面も盛り沢山です!子供達が知恵や勇気を振り絞り戦い、困難に立ち向かっていく姿はとても素晴らしいです。
もし、自分がそうなってしまったらと、考えてしまいます。昔に書かれている作品ですが、今見ても面白くなんども読み直したくなるような作品です。
ミスミソウ 押切蓮介
押切蓮介といえば、「ハイスコア・ガール」や「ピコピコ少年シリーズ」などの明るくてちょっと癖のある独特の世界観を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?
しかしこの作品「ミスミソウ」はそういった明るいイメージから一転し、読者の心をざっくりと抉り取るほどの恐怖が描かれたホラー漫画です。
舞台は閉鎖的な田舎町。東京からの転校生の春花は美しい少女でしたが、転校先のクラスメイト達からよそ者と排除され陰湿ないじめの対象にされてしまいます。
彼女の心の支えとなったのは、優しい家族とただ一人彼女をかばってくれるクラスメイト。しかしいじめはどんどんエスカレートしていき、遂に大切なものを失った彼女はいじめの加害者たちへの復讐を決意します。
心優しかった少女が復讐の鬼となる凄まじさ、そして最後に春花が見た真実とは?ゾンビや化け物よりも人間の心が一番恐ろしいことを教えてくれる、まさに「メンチサイドホラー」の名にふさわしい作品です。
亡霊学級 つのだ じろう
ホラー漫画のお化け系漫画と言えば亡霊学級です。亡霊学級はオムニバスで、「ともだち」「虫」「水がしたたる」の3つのストーリーから構成されています。
私がその中で最も怖かったのは「虫」です。主人公の青野君は山田君たちからいじめを受けていてその腹いせに虫を殺したりする毎日。その青野君の弁当にある日一匹の青虫が入っていて、それが日々増殖していく恐怖。
彼はそれを毎日食べるのです。しかも青野君以外には虫は見えない。そして、青野君に待っているその結末が怖くあまりにも悲しい。
今も良く聞くいじめ。こういう子が本当に出て来そうな気がする怖すぎるストーリーにもう40年以上前に出版されたものとは思えない新鮮さを感じるのは私だけではないと思います。
恐之本 高港基資
高港基資さんが描いている恐之本は一話一話で話が完結しますので一気に全部読まなくても大丈夫です。
もちろん主人公も毎回違うので飽きもきません。息抜きにホラー漫画を読まれる方にはもってこいの漫画です。
また怖いだけのホラー漫画ではなく怖いけど心温まる話であったり本当に読んだ後に夜に読むんじゃなかったと後悔するものや少し笑えるような怖い話が盛りだくさんの本です。
なので一話完結して次に読むときに今度はどんな話かなと色んな期待をして読むことができます。一冊で満足できます。
もちろん個人によって違うと思いますがこんな事ありえないだろうという不思議な話もありますが、本当にありそうな怖い話もたくさんありますので是非楽しんで読んで頂きたいと思います。
死人の声をきくがよい ひよどり祥子
死人の声をきくがよいはひよどり祥子作の正統派ホラー漫画です。チャンピオンREDにて連載されています。
主人公の岸田純は、幽霊が見えたり、取りつかれりと霊媒体質なのですが、とあることがきっかけで幼馴染の少女、早川涼子が殺され、その幽霊が見え、常にともにいる状況になってしまいます。
そこから霊媒体質の彼を中心に奇妙な出来事に巻き込まれていきます。
全体的にホラー漫画なので、暗い雰囲気の漫画なのですが、その中で幽霊の早川さんの仕草が無表情なのに妙に可愛いです。
また周囲の人物がやたら個性的で、自己中心的な性格の人達が多く、そのなかで主人公の岸田君の不幸体質もなんとか最後は無事逃げることができていますので、安心して読むことができます。そんな後味が悪くない正統派ホラー漫画の死人の声をきくがよいは季節問わず、ホラー好きにとっては楽しめる漫画ですよ。
カラダ探し 原作:ウェルザード 絵:村瀬克俊
カラダ探しは現在13巻まで発売されています。原作はウェルザードさん、絵が村瀬克俊さんという2人体制で描かれている漫画です。
高校生の森崎明日香は、ある日同級生の三神遥に「私の体を探して」と頼まれます。何かのいたずらだと思ったものの、同じく遥に頼まれた5人の同級生と共に、夜中の学校で遥のバラバラになった体を探す「カラダ探し」に巻き込まれることになるのです。
カラダ探しの最中には、「赤い人」が現れ、見付かると殺されてしまいます。
何度死んでも同じ日の朝に戻ってくる、カラダ探しを終わらせないと元に戻れないという怖さがあります。
そして真夜中の校舎という(もちろん電気はつかない)ホラーの定番であり怖さを助長させる舞台が良いです。カラダ探しを進めるうちに様々な謎も出てきて、ホラーだけでなく推理要素も楽しめます。
さらに高校生たちの友情や恋愛など、ホラーの合間に青春も垣間見れて良い。それが夜中に行うカラダ探しの怖さを邪魔していないのも、素晴らしい配分だと思います。
零 影巫女 原作;天樹征丸 絵:hakus
金田一少年の事件簿なども手掛ける天樹征丸さんシナリオ、人気絵師hakusさんイラストによるホラー漫画となります。
「零」というシリーズものになっている幽霊を射影機(しゃえいき)で写すことで、除霊や時には過去を体験しながら進めるゲームの設定を元に、漫画家された作品ですが世界観や登場人物がじわじわと、そして次々と巻き込まれ犠牲になっていく作品となっています。
主人公である鷲月沙羅(わしづきさら)は、代々「影巫女」と呼ばれる霊山を守っている一族の末裔で、小学生の時親友を学校のプールで事故で失っているが、大学生の時その事を知っている龍崎冬星(りゅうざきとうせい)という人物と出会います。
そこから、親友がいなくなってしまった事が事故ではない可能性を知り、所属していた民俗学のゼミ生と共に事故があった小学校を訪ねることとなりました。
偶然に偶然が重なり、そして親友がまだその学校にいるかもしれないという可能性を確かめるために、廃校となった小学校を探索するが霊山の影響と「邪霊師」と呼ばれる存在により次々と同行していた人達が悪霊によりいなくなっていく・・・。
実家から持ってきた射影機と、なぜか影巫女や霊現象について詳しい龍﨑と共に親友を失った事件の核心へと立ち向かうお話です。
私は零というゲーム自体が好きで、漫画家された際に飛びついて購入をしました。
ゲームでは実際に自分が操作をしながら謎を解いたり霊と戦いますが、漫画本ではそういうことはありません。ですが、逆にヒントが自由に探せないため、この話や印などはどこでどう繋がるのかが想像できず、次はどういう伏線があるのかなどでわくわくします。
また、人の表情や感情がとても豊かな描写になっており、幽霊を描くとしたら確かにこういう感じなのかもしれないと、自然とそのシナリオとイラストに惹きこまれます。
ホラーを書籍で見るということは、臨場感が欠けてしまうのでほとんどしませんが、これはどう展開してくのかや最終的に黒幕は誰なのかどうなっていくのかが楽しめる作品です。
うずまき 伊藤潤二
伊藤潤二先生の作品はとても奇妙で、頭で考えるよりも目からの雰囲気と登場人物の魅力で、読んでいく作品が多いです。その中でもこのうずまきはダントツで、面白いです。
ホラーな内容なのに、見方を変えるとどこか笑えて、滑稽な作品です。それでいて、引き込まれる雰囲気は抜群。あっという間に、伊藤潤二ワールドに陥って楽しめます。
伊藤潤二先生が描くヒロインはいつも、真面目で純情なタイプが多くそして美しい。
そしてヒーローはいつも最初は異質に描かれて、最終的には一番まともなカッコイイヒーローと化すのです。
今回のヒロイン五島桐絵もそんなヒロインで彼氏もそんなヒーローです。最後の最後は必ず純愛なのが、私はいつも大好きな理由で、しかもヒーローは不気味さの中にカッコ良さが見え隠れするのがとても大好きです。
ゾンビ屋れい子 三家本 礼
三家本礼さんのゾンビ屋れい子というホラー漫画は、ネクロマンサーである主人公の姫園れい子が死んでしまった元敵、元友人などをゾンビとして使役し、戦う話です。
姫園れい子以外のキャラの移り変わりは激しいほうだと思いますが、中盤にて、少女のみを殺人のターゲットとしている百合川サキが登場してからは彼女も主要人物となっていきます。
テーマがテーマですから残虐なシーンが多いですが、妖艶な魅力を持つ登場人物達が織りなす世界観は思わず紹介したくなってしまうほど素晴らしいです。
またホラーを軸にしてはいるものの、アクションシーンやギャグシーンも絶妙なバランスで散りばめられており、ゾンビ映画やゾンビの登場するドラマ、またホラーサスペンス系の映画が好きな方にはとてもお勧めできる作品です。
亜人 桜井画門
亜人は、見た目は普通の人と同じ。しかし、死なない人間たちです。自分が死にたかったらいつでもリセットして復活できるので、身体中の骨が折れたとしても自殺すれば無事復活。自爆テロで大勢殺しても自分は余裕で復活できます。
この漫画は、そんな亜人同士の戦いです。特別な手術や、何かを犠牲にすることなどなしに、簡単に生き返る亜人たちですので、話の展開が読めないことが多く、ホラー漫画としても知略的なバトル漫画としても面白く読めます。死なないことでの思い切った作戦は他の漫画にはないものだと思います。
主人公は亜人の少年、永井圭。永井は、佐藤という男が率いる亜人集団と対決します。
永井は冷静沈着且つ合理的で頭もいいのですが、サイコパスのような振る舞いを見せることがあり、読者としては永井に肩入れせず、佐藤・巻き込まれる人間たちにも共感しつつ読むことができるでしょう。
桜井画門先生が書いた異色のホラー漫画、亜人。他とは違うホラー漫画です。