主人公五代裕作は浪人生で年季の入った「一刻館」の五号室に住む住人の一人。ある日一刻館に新しい管理人として音無響子がやってきた。とても可憐な彼女に裕作は一目惚れしてしまう。
めぞん一刻あらすじ
裕作は必死に響子にアピールしようと企むが個性的な一刻館の住人にいつも邪魔されてしまう。さらには響子を狙うイケメンの御曹司の三鷹瞬も現れ、裕作の恋は多難なものであった。
響子は裕作の好意に気づきながらも自身が未亡人であることを気にしておりなかなか答えを出せずにいた。
それから数年の年月を共に一刻館で過ごすうちに裕作と響子の仲は縮まり裕作の保育士免許の取得をきっかけに結婚までに至る。
現在でも通用する80年代のストーリー
めぞん一刻は1980年にビックコミックスピリッツで連載されていました。今もなお人気が落ちることない恋愛漫画のレジェンド級作品です。
連載当時は携帯電話やスマートフォンが普及しておらず、簡単に連絡がとれる今とは違い、待ち合わせの約束など祐作と響子に誤解やすれ違いが起こります。
それが面白い方向に発展し予想外の展開に驚くことでしょう。ある程度の年齢の読者はあの頃の恋愛のもどかしさを追想することができ、そのころを知らない若者の読者は今とは違う当時の恋愛事情を体験できます。
このこともめぞん一刻が老若男女に受け入れられている要因の一つでしょう。
前途多難な主人公とヒロイン
めぞん一刻の魅力は何といっても個性的なキャラクターです。
主人公の五代裕作
貧しい浪人生の男でとことん運が無く、就職内定していた企業が倒産してしまうなど可哀そうなくらいな人生をおくってしまいます。
ヒロインである音無響子
明るく優しい性格であるが非常にヤキモチ焼き。裕作の浮気まがいの行為には本気で怒り、さらには思い込みも激しい一面もあり読者からするとかなり面倒くさい女性のように感じます。
しかしこの性格の響子だから物語を面白くさせる、近づいてはケンカして離れていく二人の距離感がこの作品の魅力であると言えます。
一刻館の住人の個性的なキャラクター
主人公五代祐作の暮らす一刻館には個性の強いキャラクターが多数存在しています。
一号室に住む一の瀬さん
主婦で世話焼きの酒好き宴会好きで裕作に何かあるたびに宴会を開こうとしたりします。
四号室の四谷という男
すべてが謎に包まれたとても異質な存在で裕作の行動に何かと詮索しようとします。その謎に包まれたキャラクター性から読者から高い人気のある人物です。
六号室に住む六本木朱美
ナイスバディな女性で一刻館内では常に裸同然の透けた服を着ています。
基本的にはこの住人たちが物語の中心になってストーリーが進行していきます。彼らの引き起こすドタバタ劇は響子と裕作の関係にも大きく関わって、魅力的なストーリーを作り上げます。
主人公五代裕作を取り巻く女性たち
めぞん一刻には裕作を取り合う女性が多数存在します。彼女らの行動や発言は他人に対するけん制であったり嫉妬のあらわれであったりします。
多くの女性のアプローチによって裕作と響子はなかなか進展しません。さらに響子も別の男性からの告白も曖昧なままにしてしまいます。
この辺のやり取りもリアルな人間臭くギャグテイストな作風とうまく作用しあい他の恋愛漫画とは一線を画す面白さとなっています。
30年たった今でもめぞん一刻の話題になるとどの女性キャラが好みか、など彼女らのファンは偏りなく存在しています。めぞん一刻の登場人物は長く読者に愛され続ける名作なのです。
感動的な物語のラスト
めぞん一刻の一番印象に残る場面はクライマックスにあります。裕作の思いに向き合った響子の胸中にきっと誰もが感動されてしまうことでしょう。
亡き夫に対するけじめをつける響子と裕作の響子を大切に思う気持ちが春の桜の舞う中で誓いあい素晴らしいエンディングへとつながります。
数多くある恋愛漫画の中でめぞん一刻をラブコメの最高傑作だと呼ぶ声も少なくありません。単行本全15巻の中で織りなす物語はとても濃密であり、日本人なら読んでおくべき作品です。
テレビアニメやドラマ化もしており、その人気の高さも伺えます。物語の結末は後腐れなくスッキリと終わるので読んでも後悔することは無いでしょう。