元軍人のジョン・ケイルは、大統領を守るシークレットサービスの採用試験を受ける為、ホワイトハウスに。
しかし運悪く、採用担当者がキャロル・フィナティ特別警護官という女性で、彼女は彼の過去の経歴を事細かに知っていた同窓生。
ホワイトハウス・ダウンあらすじ
たとえ、今イーライ・ラフェルソン下院議長の議会警察官という職務についているとはいえ、彼の過去の転職歴の多さや素行の悪さは、無視できるものではないジョン・ケイル。
そんな試験の結果はさておき、ジョンは採用試験にあわせて、娘エミリーをホワイトハウスツアーに連れてきました。
彼女は、大統領ジェームズ・ソイヤーの大ファンで、ホワイトハウスについても相当なマニア。
そんな正義感の強い大統領を、警護隊長マーティン・ウォーカー率いるシークレットサービスが守っているのでした。
しかし突如として国会議事堂が爆破テロ事件に巻き込まれ、ホワイトハウスでも非常事態に陥るのですが…。
ホワイトハウス・ダウンの監督は、ローランド・エメリッヒ
インデペンデンス・デイで、アカデミー賞視覚効果賞を受賞。同時に、第17回ゴールデンラズベリー賞最低脚本賞ノミネート(受賞はせず)
本来なら難攻不落の「大統領宮殿」
ホワイトハウスは、アメリカ合衆国の大統領が住まう場所でもあり、ここほど難攻不落な場所はありません。
しかし、国会議事堂の爆破という陽動作戦で、周囲の目はそちらに向いてしまいます。それでも、大勢のシークレットサービスや警備が守っていて、本来ならここを落とす事など不可能です。
しかし非常事態に際して、大統領を最も安全な場所に移動させるはずのシークレットサービス、そしてその責任者であるマーティン・ウォーカーの反逆によって、一瞬にしてその宮殿は陥落したのです。
まず最初に視聴者はここで驚かされます。ベテランで老年のマーティンは、物語冒頭退職を控え、部下一同からお祝いの大きなケーキを貰うような人望のある人物。
誰もがこんな人に守ってもらえるなら大統領も安全…と感じた人物の裏切りで、周囲は驚愕。
ホワイトハウスに攻め込む武装集団
ホワイトハウスは様々な組織の人物が警護していました。しかし軍に匹敵するような兵器を備えた武装集団が外より侵入し、為す術もなくホワイトハウスは陥落しました。
同時に内部では、大統領が警護隊長責任者マーティンによって人質になろうとしていました。しかしテロ発生時、ジョンが娘とホワイトハウスツアーに参加していた為、ホワイトハウス内に。
その為始めは人質の1人でしかなかった彼は、はぐれた娘を探す途中、銃口を向けられた大統領を助け出すこととなりました。
元軍人で現役議会警察官という事、そして何よりシークレットサービスになろうと思っていた彼の腕は相当なもの。
大統領を単身守りつつ、大統領を捕まえようとするテロ集団からの多数の銃撃戦を交えながら逃走劇を続けました。
現実に通ずるアメリカにおける危機管理
ホワイトハウスが陥落し、ホワイトハウス内にいたソイヤー大統領が、武装集団の人質になった事を知るや、政府は彼の救出と同時に、大統領の権限の移譲。
それは、国を守る以上それは仕方のない事。
アルヴィン・ハモンド副大統領や閣僚らはエアフォースワンに乗り、直ぐ様空へと避難しつつ、地上の対策本部(軍基地)の、ウォーカーによって非番にされたシークレットサービスのフィナティ特別警護官やラフェルソン下院議長らと連携を取りました。
同時に大統領が職務を全うできない以上、法の下、副大統領にその権限が移りました。しかし空の上の副大統領と地上の現場対策本部との溝は大きなものでした。
フィナティも、シークレットサービスの責任者が反逆した事から、軍のコールフィールド大将と対立しました。彼女とて信用できないと、大将はつっかかってきました。
マーティン・ウォーカー率いる武装集団の目的とは?
武装集団は、傭兵集団でもあり、中にはアメリカ軍に所属していた人物もいました。決して外人や宗教的な目的を持ったテロ集団ではありませんでした。
その中には天才的ハッカーであるタイラーという、ある意味では些細な理由で犯罪に染めた人物もいるほど、皆経歴はバラバラな人物ばかり。
しかしそんな集団でも、見事ホワイトハウスを乗っ取りに成功したわけです。ですがそんな彼らを一本釣りをしたのはウォーカーで、シークレットサービスの職務を利用して、彼らを集めたのでした。
そして傭兵である以上、彼らに報酬を支払う必要はあり、彼はその金を身代金で調達しようとしたのです。
さらにタイラーの力を利用し、軍のシステムをも手中に納め、副大統領から大統領に就任したばかりのハモンドら乗るエアフォースワンを迎撃し、1日に二度大統領が変わる離れ業まで実行…。
そして弱気なラフェルソン下院議員に白羽の矢が立ち、彼が大統領に就任する事態となりました。しかし、ウォーカーは決して金だけの為にこんな事を起こしたのではありませんでした…。
ウォーカーには、イラク戦争で戦死した息子がいます。つまり、そのイラク戦争の戦死する原因を作ったソイヤー大統領への復讐…にも見えなくはないですが、真の目的は、息子の復讐、また息子の死を無駄にしない事であり、大統領の持つ核ミサイル発射スイッチを使って、イラクへの徹底的な核攻撃による復讐。
その為大統領は何としても生かしておく必要があり、結果彼は生き残ることができました。
しかしエミリーが人質になった事で、娘を助けようとジョンが必死の反撃をした為、ウォーカーは核のスイッチを押す前に彼に殺される事となりました。
一連のテロの黒幕の正体
フィナティはウォーカーの事を調べるうちに、彼がどうやって傭兵と連絡を取ったのかを疑問に思い、生き残ったジョンに協力を求めました。
ウォーカーは未だにポケベルを使い、携帯も持たないような人物だったからです。
そこで一芝居打つことに。
奪還されたホワイトハウスに、新大統領ラフェルソンやフィナティ、コールフィールド大将らがソイヤー(大統領)の無事を確認しに来ました。
ところがジョンが彼は亡くなったと言うや、ラフェルソンは今後についての対策を講じようとします。
しかしジョンはそれに待ったをかけます。ジョンがウォーカーのポケベルを使い、通信履歴を辿り返信をすると、ラフェルソンのポケベルが鳴り響きます。
今や新大統領の彼は、自分の身辺を守っていたジョンが、自分を疑うことに激高し、大統領としての権限を振るおうとしました。
しかし、そこに颯爽とソイヤーが現れます。つまり、真の黒幕はラフェルソンであり、彼もまた自分を大統領にしてもらう条件で、ウォーカーに協力していたのでした。当然ラフェルソンは反逆罪で逮捕。
あれほどフィナティと対立したコールフィールド大将もその時は、すんなりと(ソイヤー)大統領の命で、ラフェルソンを連行して行きました。
最後の最後まで驚きが満載の映画「ホワイトハウス・ダウン」でした。